旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

水上生活者

現在の隅田川

NHK・BSプレミアムで小栗康平監督の「泥の河」を見ました。二十年ぶりくらいでしょうか。アナログのころのNHK・BSでも見たことがありましたが、今回は暗い場面でも黒く塗りつぶされることがなく、デジタル放送のよさを感じました。DVDの映画コレクターがブルーレイに買い替えるのが理解できましたが、大変な出費となるのでしょうね。


この映画には船の中で暮らす母子が登場します。昭和31年という時代設定ですが、昭和27年生まれの私の小・中学生時代にもそのような人たちがいました。
私が育ったのは隅田川のほとりで、通った小・中学校のどちらの校歌にも隅田川が歌われていました(実は高校もそうだったのですが……)。そして、クラスには一度も登校したことのない生徒がいました。登校拒否や引きこもりではなく、隅田川で暮らす水上生活者の子弟たちが学籍だけを置いていたのです。彼(彼女)らは長欠児童と呼ばれ、出欠を取ることもありませんでした。ですから、この映画のような交流もなかったのです。