旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

「剣客商売」と橋場不動院

橋場不動院

テレビドラマはまったくと言っていいほど見ない私ですが、「剣客商売」だけは欠かさずに見ています。私が赤胴鈴の助や矢車剣之助に憧れていたチャンバラ少年だったからですが、それ以外にも理由があります。秋山大治郎の道場のある橋場は私が育った町だったのです。
もちろん橋場や小兵衛の隠宅のある鐘ヶ淵からは、たとえ江戸時代であろうとテレビのような山並みは見えるはずがありません。でも、自分の育った町は昔はこんなだったかもしれないと思うと、なんだか楽しくなってくるのです。


現在の橋場の町並みは、私の住んでいた頃と比べても全く様変わりしてしまいました。私の住んでいた家も、もうありません。
でもひとつだけ、私の記憶の中の風景のままで残っている場所があります。「剣客商売」の原作にも登場したことのある橋場不動院です。私たちはここを「お不動さん」と呼んでいました。
この写真は昨年撮ったものです。お不動さんは関東大震災にも火災を免れたそうで、きっとこの風景は、私の父やそのまた父の見たものとそんなには変わらないものなのでしょう。
私の祖父の名は大治郎の父と同じ小兵衛でした。


先週の金曜日にフジテレビで放送された「剣客商売−女用心棒」、面白かったのですが今ひとつ満足しませんでした。たぶん舞台が商家で、敵役の強い武士も登場しなかったからでしょう。あんなに弱い浪人では、秋山父子の出番を待つ必要がありません。
やはり「剣客商売」は、武家のややこしい問題を憎たらしいほど強い敵を倒して解決するというパターンが一番です。