旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

と胸をつかれる 其の弐

7月4日の「旭亭だより」でふれました「と胸」の表記ですが、もうひとつ見つけることができました。
昨日読んでいた横溝正史の初期の傑作といわれる「鬼火」に「肚胸を突かれるような気がしました」という表現があったのです。が、この小説が収録されている創元推理文庫の「日本探偵小説全集」には本文校訂について書かれていませんので、実際に横溝の表記かどうかは疑問のあるところです。


丸谷才一「吐胸」の「吐」は息を出すことですから「胸」に関係があります。
横溝正史「肚胸」の「肚」は腹ですから「胸」と同じく体の一部分です。
こう並べてみると、関連のある文字同士が繋がっていて面白いですね。


実は私、昨日書きましたミステリー・トレインの中でこの文庫本を読んでいたのです。ちょうどあのときは金田一耕助が初めて読者の前に現れた「本陣殺人事件」を読んでいました。
なにか不思議な気がします。