北中正和による「細野晴臣インタビュー」(ISBN:4582765505)は、日本の大衆音楽の将来を考えるうえで示唆に富む一冊でした。不遜を承知で言えば、細野の意見は私の考えに近いものがあります。しかし、この本のインタビューは15年も前におこなわれたものですから、細野の先見性に脱帽すべきでしょう。
でも今日の話題はそちらではなく、この本から拾った枝葉の話です。
井筒和幸の「ゲロッパ!」は、彼の作品をあまり好まない私ですが、楽しく見ることができたものです。ただヤクザの組長がジェイムス・ブラウンの大ファンであるという設定にはちょっと無理がないかい、と感じていました。
細野はジェイムス・ブラウンと共演したことがあります。JBのステージの前に演奏した細野のバンドFOEはとんだ目にあったそうです。彼の発言を引用します。
ざぶとんが飛んでくるわ、やじが飛ぶわで、さんざんな目にあった(笑)。ジェイムス・ブラウンのファンは日本では保守派なんです。
井筒監督は正しかった。これで納得です。