旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

辞書を片手に捕物帳

久生十蘭(ひさおじゅうらん)の「顎十郎捕物帳」(ISBN:4488400086)をだらだらと読んでいます。
古典的捕物帳は「半七捕物帳」がいい例ですが、やさしく書かれたものが多いようです。ところが、この「顎十郎捕物帳」には私の知らない漢語が陸続と出てきます。しかたなく辞書を引き引き読んでいますが、ルビのふってあるのが救いです。


こんなにこまめに辞書を引くのは、二十歳の頃に旧版の小林秀雄全集読破に挑戦したとき以来です。あのときは専用の単語帳を作りましたが、今回はさすがにそこまではしません。
小林秀雄のおかげで沢山の漢語を覚えることができましたが、今思うに、それらの言葉と彼の著作以外で出会うことは、ほとんどなかったのではないでしょうか。やれやれ、とんだ無駄をしてしまったようです。


「顎十郎捕物帳」の、すべてを語りきらずに余韻をもって迎える結末、いいですね。