旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

My Back Pages

今回アマゾンで Roland Kirk の「Volunteered Slavery」と一緒に買ったCDは、Keith Jarrett Trio の「Somewhere Before」でした。この2枚はほぼ同じ時期に録音されています。


30年くらい前でしょうか。青木啓がDJのFMのジャズ番組で「Somewhere Before」の1曲目に収録されている「My Back Pages」を聞き、すっかり気に入ってしまいました。翌日、銀座の十字屋で国内盤でしたが「Somewhere Before」を手に入れました。しかし、このレコードははっきり言って「My Back Pages」しか聞きものがなく、いつの間にか手放してしまいました。
しばらくして「My Back Pages」のオリジナル録音である Bob Dylan の「Another Side of Bob Dylan」を聞きましたが、トーキング・ブルーズのスタイルで歌われるこの曲は、Keith Jarrett Trio の演奏する曲と同一のものとは思えませんでした。The Byrds のカバーを聞くに及んで、Jarrett はこちらの演奏を参考にしたことがわかりました。


「My Back Pages」は感傷的な美しいメロディーの曲で、詞の内容もそのようなものであろうと思っていましたが、とんだ勘違いでした。原詞には歯が立たないので2種類の訳詞を読みましたが、難解でとても理解できませんでした。Dylan の訳詞には日本語になっていないものが多いのですが、ふたつとも直訳に近いもので内容もさほど違いがありません。こなれた訳とは言えませんが詞の意味は伝わってきます。でもわからないのです。
このようなことは Dylan の曲では何度も経験していますので気にはなりません。現代詩を読むように対峙すればいいのでしょうが、まだその機会はやってきません。


Keith Jarrett は好きになれない音楽家です。「My Back Pages」と「Standards,Vol.1」に入っている「God Bless The Child」があればそれでいいや、と考えています。この2曲には共通点があります。どちらも8ビートで演奏されているのです。
待てよ、「My Song」もたまに聞くことがあるなぁ。でもあれは Jan Garbarek のサックスを聞くアルバムですね。