旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

とびっきりの笑顔

豊田駅

私が通勤で利用する駅はJR中央線の豊田と日野で、一駅しか離れていません。行きも帰りもほとんど同じ時間に電車に乗りますので、顔なじみが何人もいます。


朝の豊田駅でよく会うダウン症の女の子がいます。その子はいつも上り線の階段を降り、数歩歩くと左側を見上げ、手を振ってにっこりと笑うのです。こちらもつられて笑いたくなってしまうような、本当にいい笑顔です。誰かが見送りに来ているのでしょう。お母さんかな、と気になっていたのですが、まさか彼女と一緒に見上げるような失礼なことはできません。
昨日、ホームで電車を待っていると、いつものようにその子が階段を降りてきました。彼女が階段を降りきる前に私は彼女の見上げる方向に目をやりました。たぶん父親なのでしょう、私とほぼ同じ年頃のスーツを着た男性がそこにいました。
女の子が手を振ります。男性は手は振らず、大きくひとつ頷いて去っていきました。
彼には辛い日々があったことでしょう。それは今も続いているかもしれません。でも、にっこりと毎日父に手を振る娘と、真面目な表情で娘に頷き返す父の間に、深い愛情と強い信頼が見えます。
家族とはそういうものでありたい。私の願いです。