旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

自転車の名入れ屋

白鬚橋

川本三郎の町歩きエッセイが好きで、新刊が出るたびに買っています。が、ちくま文庫の新刊「東京の空の下、今日も町歩き」(ISBN:4480422609)は買いもらしていたようで、得をした気分で購入しました。


今回の川本さんの町歩きは東京一泊旅行で、旭亭の近所や私にとって懐かしい町がたくさん出てきます。年季の入った「町歩き家」川本さんの東京の町に対する愛情あふれる文章を読んでいると、すぐにでもその町に出かけたくなってしまいます。でも出かけない、のが今までの私でしたが、ここいらへんで流儀を変えようかな。


東武東上線沿線、川と工場と田園の町、板橋区」にこんな記述を見つけて、半世紀近く前の光景を思い出しました。

石神井)川には橋がいくつも架かっている。なかには橋の上に、やきいも屋やアイスクリーム屋が店を広げているところもある。ちょっとした橋上市場。昔、隅田川に架かる白鬚橋の橋の上に、夏になると氷水屋やメガネ屋、サイフ・バンド屋などの屋台が出たのを思わせる。

白鬚橋は私の育った橋場と向島を結ぶ橋で、土地っ子は当然「しらしげばし」と発音します。この文章に出会わなかったらあの屋台を思い出すことはなかったでしょう。
川本さんの書いている屋台以外に、自転車に住所と名前を入れる店がありました。今ではシールになってしまいましたが、あの頃は自転車の後輪のバンパーに直接書いていました。自転車屋でも入れてくれたのですが、それだけを商売にしている人もいたのです。表札も書いていたようですが、記憶があいまいです。
当時の自転車はほとんど黒っぽい色でしたから、店のおじさんは白の塗料を使い、独特な書体で自転車に住所と名前を入れていましたっけ。懐かしいなぁ。