旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

両国寄席に行ってきました。

昨日は両国寄席で、【江刺寄席】にも出演してくださった桂花丸さんと三遊亭王楽さんの落語を楽しんできました。
両国寄席とは毎月1日から15日までの間、東京都墨田区の「お江戸両国亭」で開かれている圓楽一門会の定席のことで、木戸賃も1500円(前売りなら1200円)とお手軽です。と言って、若手ばかりが出演しているわけではなく、楽太郎、鳳楽、好楽師匠たちの噺も聞けますし、色物もあります。また、小さなホールでマイクも使いませんから、芸人さんたちをとても身近に感じることができます。


さて昨日は「柳亭燕路二ツ目チェック」。伸び盛りの二ツ目5人の噺を、燕路師匠が厳しくチェックしてダメ出しをするそうですが、もちろんダメ出しは楽屋で行われるので、観客にとっては二ツ目を聞く会となります。燕路師匠も中入り前に出演し、「あくび指南」を聞かせてくれました。


花丸さんは中入り後に出演しました。出し物は新作落語「附子(ぶす)」で、作者も彼自身です。
燕路師匠のダメ出しの話など楽屋裏ネタで笑わせて、本題に入ります。誰でも知っている同名の狂言をもとにした噺ですが、そこは落語、いろいろな擽りが入りたっぷり笑わせてくれました。新作ですが古典の趣があり、感心しました。
私は花丸さんを過小評価していたようです。


膝代わりはマジックのダミーさんで、予告されたマギー隆司さんの代演です。今月出版される自著をさりげなく宣伝し、ゆるいマジックを見せてくれました。
実は私、ダミーさんのアシスタントを務めました。引いたカードを当てるというカードマジックの定番ですが、当てるのは私なのです。途中私にダミーさんはこう言いました。「笑わないでください。そして仕掛けは3年間口外してはいけません。」
そうなんです。このマジック、アシスタントにはタネがわかってしまうのです。もちろん、私は3年間口外するつもりはありません。


トリは王楽さんの「三枚起請(さんまいきしょう)」、難しい噺です。
王楽さんは志ん朝さんばりの歯切れのいい口調で噺を進めます。が、まだこなれていません。騙された男三人の演じ分けが今ひとつです。それと「喜瀬川こと中山みつ」に花魁を感じることができません。
まだ二ツ目になって2年を過ぎたばかりの王楽さんですから、厳しい評価をするよりも、私はこの噺に挑んだ彼の意気込みを買うことにします。


終演後、お二人と少し立ち話をしてきました。相変わらずの好青年たちです。