旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

お恵ちゃん!

昨日はNHK・BSの「あなたが選ぶ思い出の紅白、感動の紅白!」で、「未練の波止場」を歌う松山恵子を見ることができました。89年、8回目の出場のときの映像です。


私の母方の祖父は松山恵子の大ファンでした。ラジオに耳を傾けながら、「お恵ちゃんはいいなぁ」としみじみと言っているのを聞いたことがあります。
お茶を商っていた祖父は物静かな人で、お恵ちゃんとの取り合わせは意外な感じがしました。が、若いころの祖母は相当おきゃんな女性だったそうで、もともと祖父の好きなタイプだったのかも知れません。


私は初孫だったせいか、祖母からは溺愛されていました。口やかましい人だったそうですが、叱られたことは一度もありません。茨城から半日もかけて橋場のわが家に遊びに来ていたのも、孫の顔見たさゆえだったのでしょう。
私も祖母が大好きでしたが、いつもそばにいるのが友だちの手前恥ずかしくて、「ばばちゃん、ついて来ないでよ」と追い払ったことがありました。その日、家に帰ってきた祖母は母に「かずぼうに叱られちゃったよ」とぽつりともらし、一日中寂しそうにしていたそうです。子供はそれとは気づかずに、残酷なことをしてしまうものです。


子供は溺愛されて育つべきです。溺愛された記憶は、掛け替えのないものです。それは甘美な思い出となるだけではなく、辛いときに大きな支えとなってくれるからです。


私も祖父と同じで、お恵ちゃんのファンでした。特に「お別れ公衆電話」が小さいころから大好きで、歌謡曲史に残る名曲であると確信しています。
松山恵子(本名・岡崎恒好)は今年の5月7日に永眠しました。まだ69歳でした。
お恵ちゃん、ありがとう!