旭亭だより

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「書評家<狐>の読書遺産」

書評家<狐>の読書遺産

昨日、文春新書の新刊「書評家<狐>の読書遺産」を購入し、<狐>こと山村修さんが昨年の8月に肺ガンのため逝去していたことを知りました。


日刊「ゲンダイ」に<狐>氏が掲載していた書評の評判は当初から聞いていました。が、ペンネームの与えるイメージと掲載誌に対する私の偏見から、彼の書評が単行本にまとめられてからも読むことはありませんでした。
そんな私でしたが、昨年の7月に出版された「<狐>が選んだ入門書」を書店で手にし、その文体のすばらしさと独自な内容に驚き、即購入しました。恥ずかしいことに私は、この本に紹介された25冊のうちのわずか1冊しか読んでいませんでした。
読後、私が彼の薦める入門書を手に入れ、夢中で読んでいるころに彼が亡くなったことになります。


存命中にその著書にふれられたことがせめてもの慰めです。
巻末に収録された<狐>氏の遠縁にあたる中野翠さんの追悼文も味わい深いものです。