旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

残された沃野

「あめりか物語」

昨日、「すみだ川」についてふれたせいか、急に荷風が読みたくなり、「あめりあ物語」を書棚から引っ張り出してきました。岩波文庫荷風は出るたびに買っているのですが、どれも積ん読になっていました。


荷風が苦手なのです。
高校生のころに初めて読んだ荷風作品「墨東綺譚」が、なじめなかったからかもしれません。続いて読んだ、花柳界を舞台にしたいくつかの作品も楽しめませんでした。


文学全集に入っているような代表的な作品にはなんとか目を通してきたのですが、「断腸亭日常」は2冊の岩波文庫版を読んだだけで、完読していません。荷風論は何冊か持っていますが、磯田光一などの著者に対する関心から購入したものです。


なんてくだくだ書いてしまいましたが、実は「あめりか物語」が面白いのです。文体も好みです。
この年齢で、これほどの大家の作品の多くが手つかずになっているなんて、我ながらよくたくらんだものだわい、とひとり悦に入っています。
とりあえず手持ちの岩波文庫の埃を払うことにしますか。