旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

慇懃無礼

日頃使い慣れている言葉でも、意味を取り違えていないかと気になることがあります。
昨日もふと心配になり、手元の「大辞林・第三版」で【慇懃無礼】を引いてみたところ、こう書かれていました。

表面の態度は丁寧だが、心の中では相手を軽くみている・こと(さま)

どうも、私が使用する意味と違います。ここでは心の内と外との違いと説明されているのですが、私は慇懃イコール無礼なこと(人)を指すと考えていたのです。


いつも人の揚げ足を取ることを生きがいにしている私は困惑しました。でも一冊の辞書だけを鵜呑みにしてはいけません。「大辞林」と同じ三省堂の「新明解四字熟語辞典」にあたってみました。

言葉や態度などが丁寧すぎて、かえって無礼であるさま。あまりに丁寧すぎると、かえって嫌味で誠意が感じられなくなるさま。また、表面の態度はきわめて礼儀正しく丁寧だが、実は尊大で相手を見下げているさま。

ああよかった。私の使用法が二番目に書かれているではありませんか。
出典は記されていませんので、この言葉は日本語なのでしょう。それに、用例も井伏鱒二の「駅前旅館」から取られていますから、そんなに古い言葉ではないはずです。ということは、厳密な定義はないのかも知れません。


安心しました。これで今日からまた、楽しい揚げ足取りの日々が続きます。