日曜日の朝のお楽しみは新聞の読書欄です。執筆者の選択にはどの新聞も力を入れているようで、それぞれに特徴があります。
私は読売新聞と日本経済新聞を読んでいますが、最近の前者の読書欄には異色の評者が登場し、あれあれと思うこともありますが、新風を吹き込んでいます。女優の小泉今日子さんや、昨年「ゆれる」で注目された映画監督の西川美和さんたちです。
彼女たちの担当する欄は短く、書評というよりは感想文のように書かれています。文が拙く、彼女たちの思いがうまく伝わってこない嫌いがありますが、書き続けることによってそれは解決していくことでしょう。現在のところは、選択した本に独自さがあります。
私が「旭亭だより」で書いているのは、逃げを打つわけではありませんが、簡単な読後感で書評ではありません。書評と呼べるものを書けるのは、作家や評論家といった文章の専門家か、大学の教員であると思っています。*1
私の読んでいるふたつの新聞に、今月、1冊の本の書評が載りました。これは別に珍しいことではありません。
取り上げられたのは原武史の「滝山コミューン 一九七四」で、10日の読売新聞には京都大学准教授の佐藤卓己氏が、24日の日本経済新聞には評論家の芹沢俊介氏が、それぞれ執筆していました。*2
ふたつの書評には径庭があります。この肌触りの違いはなんなんだろう。
そんなことを考えてみることにしました。