旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

一神教でうろうろ

「イスラーム世界の創造」

8月14日の便りに、完読できなかった本に再挑戦します、と書きましたが、その近況報告をいたします。


保坂和志カンバセイション・ピース」はカンバセイションのひとつひとつを丁寧に味わいながら読み、時間をかけ完読しました。保坂和志の作品はどれもそうなのですが、人を思索に誘う感動的な哲学小説です。


続いて読んだ、羽田正「イスラーム世界の創造」で現在足止めをくっています。
三分の一ほど読んだところで、この本にはイスラーム教について概説した部分がないことがわかり、旭亭の書棚の大部分を占める未読コーナーから井筒俊彦イスラーム生誕」を引っ張り出してきました。これを読み終えると、大川周明の「回教概論」もあったことを思い出し、こちらにもざっと目を通しました。*1
さらに、未読コーナーの岩田靖夫「ヨーロッパ思想入門」の中の「ヘブライの信仰」に、一神教理解のヒントを与えられ、20年前に買って埃をかぶっていた新共同訳の「聖書」を読んでいるところです。*2


そのような次第で、完走までまだだいぶ時間がかかりそうですが、リタイアせずにしっかりと走り続けています。それと、わが旭亭の未読コーナーは宝の山であることに改めて気づきました。
「お前、いい本揃えているじゃん」と自分を褒めてやりたい気分です(褒めてるって)。

*1:私は大川周明精神障害詐病と思ってきましたが、「回教概論」の村松剛の解説を読み、そうでないことを知りました。村松の父は、大川の治療にあたった都立松澤病院の副院長でした。大川はスピロヘータ菌による進行性麻痺で、マラリヤ療法によって快癒したそうです。

*2:今までは岩波文庫と新改訳版で「聖書」を読んできました。