旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

苦節二十年、かな?

朝日名人会」に行ってまいりました。
開口一番は今年の【江刺寄席】に出演してくださった三遊亭歌武蔵師匠の弟子の歌ぶとさんです。9月の「朝日名人会」で彼の噺を初めて聞いたのですが、今回も登場人物がしっかりと造形されていました。声もいいですし、とぼけた味わいもあり、将来が楽しみです。
五街道弥助さんは「代書屋」。小南師匠がよく取り上げていた噺ですが、近年では枝雀師匠によるあの松本為五郎氏のポンで一躍有名になりました。*1
弥助さんの演じる代書屋さんは、すすけた絵の中にいる人物のように描かれ、郷愁を誘います。しかし、無筆な人が登場する噺は「手紙無筆」などほかにもありますが、時代にあわなくなってきたのではないか、と私は考えます。
続いては入門20年目にして来春真打になる立川笑志さんです。誰もが聞きたい談志師匠のエピソードを織り交ぜたマクラで笑わせ、しっかりと真打襲名披露の宣伝をして「茶の湯」が始まりました。ご隠居と小僧貞吉の、持ちつ持たれつの関係が暖かく描かれ、似非風流人を揶揄する噺とならなかったところに、この人の芸風を見ました。

*1:枝雀師匠の演題は「代書」です。