旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

落語界の第九(by 旭亭)「芝浜」

食いつきは三遊亭遊雀師匠の「宗論」です。主任の小三治師匠が長講になりそうなためか、あっさりとした高座でした。協会を変えて心機一転、がんばってほしいものです。ただ「宗論」は寿命を終えた噺のように、私には思えます。


柳家小三治師匠の登場です。今年は春からずっと風邪を引き続けている、と話し始めましたが、そう言われれば少し鼻声のような気もします。
長いマクラの師匠ですが、話の方向を見失ってしまったりして、今日はややまとまりがありません。どうやら10月に生まれた三人目の孫の話題にたどりつき、お待ちかねの「芝浜」が始まりました。
ゆったりとしたテンポです。大酒飲みの勝五郎ですが、一言一言かみしめるように話しますので、人生をあきらめているようにも見えます。酒の飲み過ぎで、肝臓でも患っているような気がしないでもありません。仲間を集めてのどんちゃん騒ぎもあっさりしています。なんだかお旦みたいな勝五郎です。
さて三年後。なんと魚勝には子供がいました。男の子です。
あの夫婦に子供がいたとは、私は今日の今日まで知りませんでした。勝五郎も水くさいよ。子供ができたなら、そう言ってくれればいいのに。そりゃ、うちも生活は楽じゃないけれど、でんでん太鼓のひとつくらいならお祝いに持っていけるぜ。*1
でも、勝五郎の長男はなんだかマクラに出てきた小三治師匠の孫に似ているような‥‥。
おおつごもりの夜、いったんは湯飲みの酒を手にした勝五郎ですが、下に置きます。
「よそう、また夢になるといけねえ。」*2


最近、人気が鰻登りの「芝浜」ですが、長講になりがちなのが気になります。宗家三木助を見習って欲しいものです。

*1:すっかり勝五郎と同じ町内に住んでいるつもりになっている私です。

*2:「よそう、おじゃんになるといけねえ」とサゲる、「芝浜の火焔太鼓」という新作を一瞬構想した、おバカな私です。