旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

昭和の名人たち

柳家小満ん師匠の登場です。三三さんの演った「かつぎや」のサゲを取り入れたマクラ、さすがです。師匠の修業時代の初席の楽屋風景を、志ん生、文樂ほか五人を七福神になずらえ、語ってくれたのです。
弁天はほかに(女性が)いないからということで、都家かつ江姐さんです。それに言い寄る文樂師匠や「どーでもいーや」の志ん生師匠。圓生、金馬も加わって、昭和の寄席の楽屋はにぎやかです。*1
最後には三平師匠まで登場するのですが、このマクラが聞けただけでも儲けものでした。声色を使うのではないのですが、どの師匠の雰囲気もたくみにとらえれていました。


演し物は「盃の殿様」です。この噺、殿様が廓通いを咎められ、国詰めになるという演りかたもあるのですが、小満ん師匠は参勤交代で無事お国入りとしていました。おおらかな噺ですから、こっちのほうがいいですね。
また、花魁、花扇の返した杯をかついだ足軽箱根山中で大名行列に出くわし、サゲとなるのではなく、殿様の元にすんなりと戻るという結末も、あっさりとはしていましたが新春の寄席にはぴったりでした。
私は小満ん師匠の語り口に、師である文樂よりも圓生を感じました。そういえばこの落語会、お三方とも昭和の匂いがいたします。
仲入りです。

*1:協会に属さず、普段は寄席には出なかった金馬師匠ですが、初席だけは落語協会の寄席に出ていたそうです。