旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

落語を書く。

頼まれてもいないのに、「新作落語を書く」と宣言してしまったおっちょこちょいの【江刺寄席】席亭とは私のことであります。
でも、唐突とも言えない気もします。この便りを書くなかで、書くことの楽しさを感じることが幾度かありました。そんなときにはフィクションを書いてみようか、と思うこともあったのです。
小説ははなから考えませんでした。読む方がずっと面白いからです。多様化した小説が次々と生み出されて時代です。自分の書く小説がどんなスタイルを取りたいのかが全く思い浮かばない私に、小説を書けるわけがありません。
以前、ミステリの賞に応募しようとしていた方の原稿を読んだことがあります。はっきり言って小説と呼べる代物ではなかったのですが、その人が一篇のフィクションを書きあげたことには心から敬服しました。
その小説の一番の欠点は会話の多さでした。地の文が少なく、会話が全体の三分の一以上を占めていたのです。会話だけで書かれた優れた短編小説もありますが、彼が意識的に会話を取り入れたとは思えません。会話の多さが鼻についたからです。
会話は書き易いのです。文章に凝る必要がないからです。


落語台本がどのように書かれているのか、実は知りません。シナリオの書き方の本はありますが、落語のそれは見たことがありません。
自分が高座で話すとしたらこうなるだろう、そんな形式ならばなんとか書けそうです。文体を気にかけずにすむからです。それに、落語には会話が多いことも、素人の私を助けてくれるはずです。
昨日は自分のバカさ加減に愛想が尽きていたのですが、少しは光が見えてきたようです。