旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

新作落語の方法論

意気消沈をいいわけに、新作落語を書くことから逃げてはいけないぞと、珍しく自分を鼓舞しています。
実は皮肉なことに、意気消沈の原因となった平岡兄さんの「シュルレアリスム落語宣言」と一緒に、新作落語のための資料にする本も買ってきたのです。ある人の伝記で、明治時代に出版されたものですが文語で書かれています。
つまり、私の書こうとしている新作落語は実在の人物を主人公としたものなのです。いきなり笑いの多い落語や、人情噺を書くことは無理だと考えたからです。
世間で名の知られた人の知られざるエピソードを語り、なんとかサゲをつける、これが今回の方法論です。エピソードはオリジナルなものにしなくてはなりません。
そう決めたと同時に、主人公も決まりました。たぶん、落語には登場したことがない人物です。
新たに購入した資料は伝記本だけですが、その人の娘を主人公にした小説も持っていますし、敬愛する山田風太郎氏の作品も参考になりそうです。それと、ちくま文庫になった江國滋氏の名著、落語三部作(「落語手帖」「落語美学」「落語無学」)には彼の書いた新作落語が収録されていますので、これも役に立つかも知れません。
目的地にたどりつけるかわかりませんが、なんとか出帆することにいたします。


落語無学 (ちくま文庫)

落語無学 (ちくま文庫)