旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

姓名と氏名

またか、と言われそうですが水野直樹の「創氏改名」を読み、自分の無知さ加減に呆れています。
日本と朝鮮との関係で必ず問題となる1940年の<創氏改名>について、私はごく簡単に、日本風の名前を朝鮮人に強要した蛮行であると思っていました。<創氏>ということばについはまったく考えもしなかったのです。


姓名と氏名の違いも知らなかったのですから、当然のことです。
姓とは血族をあらわすもので、氏は家族名であるという基本的なことをこの本の冒頭で教えられました。が、それを理解するには少し時間がかかりました。<氏>という考えが世界共通なものであると思いこんでいたからです。ですから私の中では、<姓>は<氏>の別な言い方だったのです。
少し頭を働かせれば、話題になった<夫婦別姓>がなぜ<夫婦別氏>ではないのか、ということから、<姓>と<氏>の違いに目を向けることができたはずでした。


創氏改名>に反対する意見も多かったことは知っていました。その人たちには、先ほど書いたこととは正反対の意味でそれが蛮行であったのです。
それを押し切り<創氏改名>を実行したのは、<イエ>という考えの強要にあったようです。その<イエ>に君臨する家長はあの方でした。


創氏改名>の研究はまだ緒に就いたばかりだそうですが、それについて新書で知識を簡便に得られるのは、ありがたいことです。


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