旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

ルイ・マルが教えてくれた

ジャンゴ・ラインハルトのすばらしさを教えてくれたのは、ルイ・マルの映画「ルシアンの青春」でした。バード、チャーリー・パーカーの楽しさも彼の「好奇心」で知りました。


私のジャズの学校はジャズ喫茶でしたが、当時そこで聞けるのはジョン・コルトレーン以後のレコードでした。古いジャズ専門の店もあったようですが、行ったことはありません。FM放送は、たまにビ・バップが聞けることもありましたが、新譜の紹介が中心でした。
ジャズ喫茶の圧倒的な音量で聞くコルトレーンにくらべて、ラジオから流れるバードの演奏は音が悪く、しかも一曲が短くて、とても関心が持てるものではありませんでした。
それに当時の私は、ジャズの歴史など知ることは無用と考えていました。ジャズは今現在生きている音楽だったのです。


「好奇心」、映画のストーリーも衝撃的でしたが音楽はそれ以上でした。全編にバードの演奏が流れているのです。特に、主人公の男の子がレコード(もちろんバードのレコードです)を万引きするときの曲は、スリリングな場面とぴったりあっていて、忘れられないものになりました。
音のよさにも驚きました。フランスって、今でもそうですが、古いレコードの復刻に力を入れている会社が多いんですよね。たぶん、そのせいだったのでしょう。


ルイ・マルが教えてくれたものはもうひとつあります。女優ジャンヌ・モローの魅力です。
が、モローの美しさを教えてくれたのはフランソワ・トリュフォーでした。


実は中学生のときに見た「ビバ!マリア」も大好きな私です。


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