この金曜、土曜日は近所の公園で恒例の盆踊り大会がありました。地元の商工連合会が主催で、福引きの抽選券が付いたチラシが郵便受けに入っていました。
夜店も出ますが、商工会に人たちによる健全なもので、私にはちょっともの足りません。
ちくま文庫の新刊、種村季弘「徘徊老人の夏」に「縁日風景」という文があり、芸大彫刻科を出てしんこ細工師になった人が紹介されていました。
博識な種村氏ですが、なぜかしんこ細工を飴細工と取り違えているのがご愛嬌です。
私が子供のころでも、飴細工の露店は結構出ていましたが、しんこ細工はほとんど見かけなくなっていました。そのせいか、しんこ細工の方が、値段も高かったのもあるのでしょうが、高級に思えたものです。
飴細工は何度も買ったことがありますが、しんこ細工は買った記憶がありません。
しんこ細工はその名の通り、米の粉であるしんこを蒸して餅状にし、加工したものです。
露店には食紅等で着色した色とりどりのしんこが並び、それを客の前で手でこねて、小さな野菜や果物を作り上げます。形、色とも本物そっくりで、その鮮やかな技は、何度見ても見飽きることがありませんでした。
あの美しい細工物は、どんな味がしたのでしょうか。
- 作者: 種村季弘
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/07/09
- メディア: 文庫
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