昨日はＮＨＫ・ＢＳで日曜日に放送された「大集合！青春のフォークソング」を見ていました。岡林信康がこの種の番組に出演するのは初めてと紹介されていたからです。
岡林は４曲歌いましたが、以前ＮＨＫ・ＢＳで野音のライブを見ていましたので、違和感はありませんでした。
岡林のライブは一度だけ見たことがあります。３９年前の７月、台東区の玉姫公園で行われた無料ライブです。
玉姫公園は、矢吹丈と丹下段平が出会った場所として有名ですね。玉姫神社の隣にあり、台東区の児童公園としては大きい方でしょう。
確か主催は山谷地区で労働運動をしている団体でした。ライブ終了後に会場の後片付けを手伝い、団体の人と少しだけ話をしました。
私は友人のＫ君と早めに玉姫公園に行き、ステージの正面に席を確保しました。人がどんどん集まってきます。無料ライブなど始めてのことですし、出演するのが「山谷ブルース」を歌っている岡林ですから、山谷のおっさんたちは関心があったのでしょう。あのころは山谷にも仕事があふれていましたし、おっさんたちも若く、町は喧噪に満ちていました。
フォークソングのファンはあまり来ていなかったようです。たぶん会場の雰囲気に恐れをなしたのでしょう。酒臭いし、あちこちで喧嘩も始まっていました。
Ｋ君もとまどっているようでした。私は、玉姫公園の隣にある中学校に３年間通っていましたので、酔っぱらいのおっさんたちには慣れています。ここは、中学生に街娼のおばさんやおじさんが平気で声をかけてくる土地柄なのです。
アマチュアグループが出たあと、ＵＲＣからシングルをリリースしたばかりという男性デュオがステージに立ちました。そのデビュー曲を歌い始めましたが「山谷ブルースをやれ」とのヤジがとびました。何曲か演奏を続けたのですが、ヤジに唱和する人がどんどん増え、泣き出しそうな顔でふたりは「山谷ブルース」を歌い、ステージを降りました。
いよいよ岡林の登場です。
