旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

蕎麦屋

久しぶりに、いい夢を見ました。このままずっと目が覚めずにいたらいいのにな、と思わせる夢でした。


舞台は蕎麦屋です。流行の高級蕎麦屋ではなく、古いけれど、私の子供のころには東京のあちこちにあった、その前を通るとダシをとるいい匂いがしてくる蕎麦屋です。ただ、建物の古さは相当なもので、「駒形どぜう」に似ていました。
会社の同僚がそこの娘で、休みの日には家業の手伝いをしています。お店はその子の母親と兄夫婦、歳をとった男性の従業員ふたりでやっています。広い店ですので、その人数でも忙しそうです。
高級蕎麦屋ではありませんが、蕎麦は手打ちで、他店にはないようなメニューもあります。オリジナルではなく、昔からずっと伝わっているものだそうです。
雑誌の紹介されるような名店ではあるのですが、近所の人が気楽にやってくる、私にとっては理想的な蕎麦屋なのであります。
夢は、その店に何度も足を運び、店の人と楽しく話しながら蕎麦を食べるというだけのものでした。不思議なことに、蕎麦屋で酒を飲むのが好きな私なのですが、その店では一度も酒は飲みませんでした。そういえば、酒を飲む夢って見たことがないなぁ。
夢の中の私はほぼ実年齢と同じで、同僚でもある蕎麦屋の娘は二十代でしたから、恋愛感情はありません。でも友情より、ちょっとだけ濃いものがふたりの間にはあるようです。
その子は会社を辞め、家業を継ぎたいらしいのです。会社がいやなのではなく、母親がかろうじて伝えている古くからの技を、残したいようです。


夢の町は、今までにないところでした。江東区墨田区あたりでしょうか。私も店から数駅のところに住んでいいるのですが、なぜか地下を走る西武線がそこを結んでいました。
隅田川の水は澄み、町のあちこちに堀割があります。これって、関東大震災前の東京ですよね。
最後にスペシャルゲストが登場しました。大好きなちあきなおみさんで、私の隣の席で静かに蕎麦を食べていました。


店の屋号と娘さんの顔は、残念ながら覚えていません。