旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

話し下手、再び

昨日の読売新聞の人生案内の相談は「話し上手になりたい」でした。相談をしているのは、定年が近づいているという50歳代の会社員男性で、それに出久根達郎氏が答えていました。
「同じような悩みを持つ人はいるもんだ」と、年齢も私と似たり寄ったりなこともあり、興味深くその記事を読みました。が、ちょっと私とは悩みの方向が違っているようです。

もう会社生活も短くなりました。最後に自分のことを人に知ってもらいたいのです。「変わったな」と思われたい。

私には「自分のことを人に知ってもらいたい」という思いはありません。またこの方は、話し下手の理由をわかっているのです。

私は相手の気持ちなど考えず、思ったことをそのまま話してしまうのです。(略)同じように、あまり考えずに行動してしまうこともあります。

こうなると、回答は自ずと決まってしまうのですが、出久根さんはどう答えるのでしょうか。興味津々です。というのは、私は出久根さんの回答にいつも感心しているからです。
彼の回答は、私の考えるそれとは大きく異なっています。やさしさと深みがあるのです。私なら「えーい、すっとこどっこい。勝手にしやがれ」と投げ出してしまうような相談にも、きちんと寄り添い、実現可能な道を指し示してくれます。


聞き上手になること、これが出久根さんの答えでした。ちょっと平凡過ぎて、肩すかしをくらった感がなきにしもあらずでした。
しかし、思ったことをそのまま口に出すのはせっかちだからだと断言し、次のように結ばれたことばは、私にはよく噛みしめてみる必要がありそうです。

あなたは今まで相手を見ていなかったから、一方的なおしゃべりになってしまったのです。語りたいことが十あったら、その半分にとどめます。自分をよく見せたい、という意識があると、つい口数が多くなりがち、注意が必要です。