二ヵ月ほど前のことでしょうか。銀行の待ち時間に備え付けの「週刊文春」を読んでいました。特集記事に面白そうなものがなかったので、小林信彦氏のエッセイに目を通すことにしました。
小林氏は私の好きな作家、評論家です。「週刊文春」のエッセイは、文庫化されるたびに購入しています。
ところが、そのエッセイを読み、びっくりしてしまいました。血液型性格判断について書かれていたのですが、氏はあの似非科学を本気で信じているようなのです。
今年になって、新手の血液型本があらわれ、売れていることは知っていましたが、ゴミに興味はありません。なんでまたそんなものに、冷徹な批評家である小林信彦氏がひっかかるのは、私には理解できませんでした。
吉本隆明氏が床屋政談を垂れ流しているように、小林氏もこんなものを論ずるようになってしまったのか‥‥げに老いとは悲しいものだ、と思うばかりでした。
先日、小林氏の「紳士同盟」が扶桑社文庫で復刊されたことを知り、遅ればせながら手に入れました。その59、60頁に血液型性格判断についてふれた部分がありました。どうやら、氏の似非科学信仰は老いとは無縁のようです。
やれやれ。「紳士同盟」読まなければよかったな。
- 作者: 小林信彦
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2008/06/28
- メディア: 文庫
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