旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

皆既日食の思い出

今日は46年ぶりに日本で皆既日食が見られる日ですが、どうも東京では、そのおこぼれにあずかるのはむずかしそうです。


46年前は中学1年生だったのですが、日食のことは覚えていません。記憶に残っている日食は小学1年生のときのもので、確か東京でも皆既日食が見られたような気がします。


日食が始まると全校生徒が校庭に出ました。あのころは生徒が多かったので、屋上組もいたのでしょうね。
事前に先生から、直接太陽を見ないようにとの注意がありました。観測道具は下敷きです。
当時の下敷きは厚手で、色の濃いセルロイド製がほとんどでしたから、日食を見るにはぴったりの道具だったのです。


日食の数日前に、父が曇りガラスの破片に煤を塗ったものを作ってくれました。それで太陽を見たことはあるのですが、日食観測には用いなかったようです。おそらく父自身が使ったのでしょう。


当日は晴天でした。先生は日食について説明してくれるのですが、なにせ1年生ですからよく理解できません。どんなことが起こるのか、想像できないのです。
明るかった空があっという間に暗くなったことははっきりと覚えています。
突然の夕立でもそのようなことがありますが、暗さの質が違っています。人を不安にさせる暗さです。そのせいか、教室に入ってしまった子もいました。泣き出す子はいなかったけどね。
すぐに太陽はもとの大きさに戻ったのですが、私はその間、たぶん口をあんぐりとあけて、呆けたような表情をしていたはずです。