旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

時代劇の中の居酒屋

昨日の便り、実はあのようなことを書くつもりはなかったのです。で、書きたかったのは映画の中の居酒屋のことでした。


東映のチャンバラ映画を見て育った私ですが、その中に出てくる居酒屋に子供のころから憧れていました。なんだかおいしそうなものが並んでいるように見えたのです。
たぶん、父がたまに持ち帰ってきた宴会のお土産の折詰が、ふだん食べているおかずとは違っているので、とてもおいしく感じられたせいでしょう。(私の焼き鳥好きの種は、間違いなくこのころに蒔かれました。)
飲んべえ安(堀部安兵衛)が入り浸っていた居酒屋などは、今でも目に浮かんできます。
時代劇映画の居酒屋ってどこも酒樽が椅子代わりで、最後には必ず一騒動起きたものです。


「人情紙風船」にも居酒屋は出てきましたが、モノクロのせいか、リアリズムのせいか、おいしそうなものは並んでいませんでした。がんもどきのような煮物が数種、ひとつ一文で売られていただけです。


落語に出てくる長屋の人々はみなそれ以上に貧乏のようで、居酒屋には行けず、家で残り物を掻き集めて飲んでいることが多いようです。でも、かくやのこうこで一杯やるなんて、私も好きでげす。
ぱっと思いつく居酒屋が出てくる落語って「子別れ」くらいかな。これには鰻屋も出てきましたね。