相変わらず音楽はよく聞いているのですが、感動することはめっきりとなくなりました。その原因はなんとなくわかります。音楽を聞き過ぎたからでしょう。
ことばのある音楽は以前から聞くことが少なかったのですが、最近はさらに聞かなくなりました。主に聞くのはクラシックとジャズです。
クラシックの場合、いわゆる名曲はほぼ聞き尽くしました。お気に入りの演奏は細部まで覚えていて、ターンテーブルにのせても耳はまだ聞こえないその演奏の先を聞いています。これでは感動するわけがありません。
新しい演奏はよほど奇をてらったものでなければ印象に残りません。それに、そういった演奏はすぐにあきてしまいます。
十代のころにビートルズのシングル盤を一日になんどかけても聞き飽きなかったような、二十代のころにモーツァルトのピアノ協奏曲のどれもに感動したような日々が帰ってくるのはとうにあきらめてしますが、初老にだって感動する音楽の聞き方はあるはずです。
まだ聞いていないジャンルを漁るのではなく(何度かやってみました)、たくさんの音楽を聞いてきたことがプラスになるようなこともあるはずでしょうから……。