旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

築地小劇場のちらし

築地小劇場のちらし

本の整理中に写真のちらしが出てきました。銀座の奥村書店のご主人から「値段の付けようがないので差し上げます」と、タダでいただいたものです。


いつの公演なのかはわかりません。ただ、東京左翼劇場と新築地劇団の合同公演ですから、1929年から34年の間のものになります。
東京左翼劇場は宇野重吉滝沢修原泉らを擁し、土方与志率いる新築地劇団には丸山定夫山本安英らがいました。


写真ではよく見えませんが、「メーデー記念」というゴム印が押されています。入場料は一般が1円で、労働者は30銭となっています。学生は80銭ですから、それよりずっと安いのです。自己申告でよかったのかな。


築地小劇場は、意外かもしれませんが、世界初といわれる電気照明の設備を備えた立派なコヤでした。小林多喜二が惨殺された築地警察の近くにあり、小林追悼の公演が企画されましたが、許可がおりませんでした。そのときの演目がここにある和田勝一作の「大里村」でした。


「ちらし」と書きましたが、手渡しするより、電信柱に貼り付けるのが似合いそうなものです。