旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

【江刺寄席】歌謡浪曲「俵星玄蕃」

「俵星玄蕃」を熱唱する柳亭市馬師匠

私が市馬師匠の「俵星玄蕃」を聞いたのは、三遊亭王楽さんの真打披露パーティーのときでした。三波春夫先生のファンで、とりわけこの曲が好きな私は素直に感動しました。あの名曲が歌い継がれていくという喜びもありました。
そして、ぜひとも【江刺寄席】でこれを再現しようと決意したのです。あれから2年、意外と早く実現することになりました。


市馬師匠の着替えの間を志ら乃さんがトークで繋ぎます。ラジオ番組も持っている志ら乃さんにとってはお手のものなのでしょう。きちんと藝になっています。
袴姿の市馬師匠が再度舞台にあらわれました。「ほんの短い時間ですから」と断って、「元禄名槍譜 俵星玄蕃」がはじまりました。ちゃんと伏線を敷いておくのですね。


市馬師匠の声質は、浪曲で鍛えた三波先生とは違いますが、美声ということで共通しています。歌うのが「俵星玄蕃」とわかると大きな拍手が起こりました。それからは皆さま、しーんと聞き入っています。
私の聞いたのは歌(と浪曲)だけのバージョンでしたが、ステージで演じるときには市馬版となります。もうすぐ終わるだろうと、司会役があらわれます。すると歌が続き、彼は思わずずっこけるという展開です。
私は弟子の市也さんが今回のズッコケ役と考えていました。ところが出演者全員が登場したのです。8分ほどの長い歌の間に、これが3回繰り返されました。
志ら乃さんは仕込みをしていました。みごとにずっこけたのは金魚さん。ズッコケはアチャラカの基本ですが、そこは東八郎さんに師事した金魚さんです。堂に入っていました。


歌が終わると全員がステージに並びました。まるでショーのようです。拍手は鳴り止みません。市馬師匠はそれに応え、軽く六方を踏みながら舞台下手に去っていきました。


以上で第六回【江刺寄席】全演目が終了いたしました。ご来場ありがとうございました。
来年の第六回【江刺寄席】は10月7日(日)の予定で、すでに番組はでき、出演交渉がはじまっています。今回同様の楽しい寄席藝を用意いたしますので、またのお越しをお待ちしております。