旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

橋本治「権力の日本人」

NHKの大河ドラマ平清盛」、評判がよくないそうですが、私は見ています。
時代劇が好きという以外に、ロケ地がATCの江刺工場に近いこともあります。同じ江刺区にある「藤原の里」や、社員が住んでいる金ヶ崎町で撮影されたシーンがいくつも登場します。
平清盛」を見て、よかったこともひとつあります。完読できなかった橋本治の「権力の日本人」(講談社)に、再挑戦するきっかけを与えてくれたのです。この本、刊行時に購入し、おもしろいのはわかっていながら、複雑な人間関係を追いかけるのに倦み、途中で放り出してしまいました。
「双調平家物語ノート」の副題があるのですが、院政がなぜ起こったのかを追求し、橋本は天平時代にまで遡り、日本の政治権力がどこにあり、なぜそうなったのかを細かく考察しています。
21の年表と、19の系図が圧巻です。幾重にも重なったそれらを丹念に読み解くことによって、こんな考えはありかとの疑問をあちこちに抱かせる本文が、納得のいくものに思えてきました。
辛抱を覚えた、最近の私です。