旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

谷崎潤一郎のライフマスク

大谷崎からライフマスクをとるよう依頼された夢を見ました。
本来のライフマスクとはデスマスクと同じように石膏でとるものです。私が頼まれたのは布によるもので、正式にはなんと呼ぶものかわかりません。
谷崎は上半身裸で横たわっていました。相当なお歳です。自らは私に一言も語らず、指示は彼のそばに座した和服を着た小柄な老女からなされました。
歌舞伎の隈取りのように顔に何かを塗りそれを写すのか、拓本のようにとるのかを訊ねました。老女は「お任せする」と応えました。
文豪の顔に直接墨などを塗ることはできません。拓本方式に決めました。実際にそんなことができるとは思いませんが、氏の立派な顔に水を塗り、布を置きました。たんぽに墨を含ませているところで夢は終わりました。普通の墨でとったあと、朱墨でもとるつもりでした。
私は谷崎の初期作品を愛読しています。