旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

morning mist

朝霧

写真は旭亭のベランダからの眺めで、真ん中に見えるのは煙ではなくて朝霧です。川が流れているあたりで、この季節にはよく狭霧が立ちます。
霧を見ると、必ずといっていいほど吉増剛造の詩「頭脳の塔」の冒頭が思い浮かんできます。「朝霧たちこめ 狭霧たつ」ですが、この詩については2年前にも書きました。
これは同じ意味のことばの反復です。散文ならペケですが、心地よい響きがあります。1行目を口語、2行目を文語と考えると、この行間に遡る時間を感じることができます。それがこのわずかなことばの連なりを、スケールの大きなものにしているのでしょう。
なんて柄にもなく解釈をしてしまいました。吉増の詩は好きですが苦手です。散文しか読まない私には、ことばから意味をはぎ取ることができないのです。苦痛ともいえます。
日常の思いを分かち書きにしただけの拙いものが詩としてまかり通っています。詩は須く難解であるべしとまではいいませんが、詩の不毛な地となってしまったことを嘆かずにはいられません。