旭亭だより

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密林のカフカ

今日のグーグルのロゴはカフカの生誕130周年を記念したものでした。
カフカの作品は断片を含めほとんど読んでいますが、それについて語る自信はありません。手許には残してありますのでいつか再読したいものです。
カフカ論はまったく読んでいません。カフカに関するものでおもしろかったのはバルガス=リョサの「密林の語り部」(西村英一郎訳/岩波文庫)です。
アマゾンの密林に住む部族の語り部になった青年はカフカ好きのユダヤ人でした。小説は彼の友人の回想と、語り部となった彼の語ることからなりたっています。
語り部は部族の創造神話などを村をまわって語り続けます。そこにいつしかユダヤの神話や、カフカの小説らしきものが混じり合っていくのです。
グーグルのロゴのザムザはなんだか楽しそうですね。高校生のころに「変身」について友人と話していて、話題はザムザの形態のことになりました。私はロゴと同じような虫を想像していましたが、彼は甲虫類の幼虫のようなものを考えていて、驚いたことがあります。彼の意見を聞いていると、とても鮮やかな像が目に浮かび、テキストをきちんと読んでいないと否定する気にはなれませんでした。


密林の語り部 (岩波文庫)

密林の語り部 (岩波文庫)