土用の丑の日が近づくと鰻の出てくる落語が聞きたくなります。黒門町の「素人鰻」を久しぶりに堪能しました。
文楽師のおじいさまは徳川家の御典医だったとか。お父さまの代に商売に手を出していれば「素人鰻」そのものなのですが、そうはならなかったようです。
鰻割きの金が実にいいですね。酒癖が悪いことは自覚していて、三年酒を断つと金比羅さまに願をかけたという、殊勝なところのある金なのですが……。
金比羅さまと禁酒の誓いについては、平岡正明さんが「大落語」(法政大学出版局)の上巻(59頁)で、広沢虎造の浪曲「石松代参」との類似性を指摘しています。
黒門町が演じている姿が見たくなってきました。幸いなことにDVDのボックスセットが出ています。落語のDVDは枝雀さんのものしか持っていないのですが、買っちゃおうかな。