旭亭だより

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呉智英×適菜収「愚民文明の暴走」

呉智英先生と適菜収氏の対談本「愚民文明の暴走」(講談社)を読みました。
先生の対談相手の適菜氏のことはまったく知りませんでした。保守派の若き論客だそうです。
宮崎哲弥氏と先生の対談には教わるところが多かったのですが、この本では先生の著作をなぞったような感もなきにしもあらずの思いがしました。
対談が終わりに近づくころからおふたりの意見の違いが見えてきました。天皇観にそれがはっきりとあらわれています。先生は天皇を慕う適菜氏に遠慮されたのか、お得意の皇室ネタを封じたようで、踏み込みが今一歩足りないように感じました。
驚いたのは先生がウイスキーを論じたことです。確か先生は下戸に近かったのでは、と案じながら読み進めました。適菜氏もその方面の知識はないようで、まったくの床屋政談でありました。
先生の知性、知識に驚嘆し、勝手に師事している私ですが、自分がやや知っていることに関して違和感を抱くということは、と不遜なことを考えてしまいました。弟子の資格を喪失したかもしれません。


愚民文明の暴走

愚民文明の暴走