旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

浮世絵の画集は枕絵だけ

今日の東京新聞の「カジュアル美術館」欄に喜多川歌麿の肉筆画「納涼美人図」(千葉市美術館所蔵)が紹介されていました。肉筆画特有の柔らかな描線と細やかな彩色がすばらしい作品です。
杉浦日向子の『百日紅』を三度読みました。ここでの渓斎英泉はまだ若く下手っぴいなのですが、枕絵だけはなまめかしくていいという評判です。
私は浮世絵の画集を三冊しか持っていません。葛飾北斎『東にしき』、歌川国定『春色初音六女(しゅんしょくはつねうめ)』と白倉敬彦早川聞多編著の『春画』(洋泉社)でどれもが枕絵です。前二書は河出書房新社の『浮世絵春画名品集成』というシリーズで、三冊ともぼかしや墨塗はありませんが普通に書店で売っていました。『春画』は2002年から2003年にかけてヘルシンキで開催された春画展の全展示作品270点を精巧なカラー図版で収めたものです。この手の本は、発売禁止にはならなくても入手は難しくなりそうで、躊躇せずに即購入しました。(なんて書くといいわけじみてますね。)
春画』では歌麿の『願ひの糸ぐち』(全十二枚)と英泉の『十開之図』(全十枚)を見ることができます。歌麿には品があり、英泉には艶っぽさがあります。