旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

青山二郎「上州の賭場」

昨日の東京新聞の「筆洗」欄で青山二郎の随筆「博徒風景」が紹介されていました。この文は読んだことがあります。再読したくなり書棚を捜しました。ありました。『青山二郎全文集』(ちくま学芸文庫)です。下巻にそれは収録されていました。「博徒風景」には「続・上州の賭場」という副題が付いています。「上州の賭場」と合わせて読むものでしょう。
新聞に書かれていた負けた翌晩に「空き俵の様になつて転がつてゐた」男は、「山から来」て「炭になるか―灰(へえ)に化(な)るか!」と「気合ひを掛けながら」一番先に張っていました。そうして彼は「勝つ時ア、金要らねエ―」という賭場の魔力に引きずり込まれていったのです。
「上州の賭場」はすさまじい闘鶏の描写で始まります。読み続けるのが辛い文章です。