旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

白鬚東映

今にもつぶれそうな映画館の館主をやっている夢を見ました。苦肉の策でスリップ公演をしてみたけれどこれも不入りで打つ手なし。
この夢にはモデルがあります。私が子供の頃に通った映画館「白鬚東映」です。いかにも場末の映画館といった佇まいで子供たちは「ブタカン」と呼んでいました。
封切りより数ヶ月遅れた作品を三本立てで上映していました。それにニュース映画と予告編付き。テレビが普及するまでは家族連れで賑わう地元の娯楽の殿堂だったのです。
昼食のコッペパンを館内で食べ、映画を見終えると外は真っ暗です。これには毎回驚きました。楽しくて、時間がたったことを忘れていたのです。
私が中学生の時でしょうか。新聞に「白鬚東映」のストリップの広告が折り込まれました。数年前から「白鬚東映」には行かなくなっていました。まだ「ブタカン」あったんだ、こんなんじゃもう終わりだな、とバカにするだけで、愛惜する思いはその頃の私にはありませんでした。