旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

国枝史郎

青空文庫国枝史郎の『血煙天明陣』が収録されました。早速読んでいます。
私が国枝の小説を読み始めたのは随分と遅く、四半世紀ほど前のことでした。『神州纐纈城』の評判は知っていましたが入手できませんでした。それが文庫本となったのですぐに購入したのです。
読みながら驚きました。あのおどろおどろしさは空前絶後です。さてどんな結末が待っているのだろうか。
私は『神州纐纈城』が未完であることを知らなかったのです。話はどんどん広がり、そこでストンと切れてしまいました。がっかりしましたが、あれをまとめることは不可能だったのだろうと勝手に納得しました。
それからも国枝の小説は読みました。まあまあの大衆小説家というのが今の私の評価です。ツカミはいいのですが、結末は似たり寄ったりなのです。
『血煙天明陣』もそんなもんだろうと思っています。十二神貝十郎という人物がちょっと面白いかな。十二神は「おちふるい」と読みます。