旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

「ポーク・サラダ・アニー」

私がイギリスのビート・グループに夢中になりラジオで洋楽番組を追いかけていた頃、エルヴィス・プレスリーは歌う映画スターでした。ヒットするのは甘ったるい映画の主題歌で、どうしてこんな人がジョン・レノンのアイドルなのか、不思議に思ったものです。
映画に出なくなりしばらくしてから、ド派手な衣装とアクションのホテルのショーでプレスリーは復活しました。元気そうで、それは嬉しかったのですが、興味はありませんでした。
ルーツ・ミュージックに関心を持つようになり、サン・レコード時代の曲を聞きました。驚きました。こんな音楽を若いトラック運転手がやっていたんだ。でもそれ以後の曲は、手に入れはしましたが、ほとんど聞きませんでした。
先日、ふと「ポーク・サラダ・アニー」という曲が、メロディーではなくタイトルだけですが、思い浮かびました。確かプレスリーがショーで歌っていたっけ。アニーちゃんが作る豚肉サラダはおいしいけれど、彼女はそれよりもステキだ、というような曲なんだろうなと勝手に想像し、CDを探しました。
明るい曲じゃない。語りから入っているし、トーキング・ブルーズみたいだ。何を歌ってるんだろう。
豚肉サラダじゃないんですね。PorkではなくPolk。
「南部のことなんかみんな知らないだろう。食べ物なんてあんまりなくて、森の中に生えている蕪の葉っぱみたいなポーク・サラダっていう草を摘んできて食べるのさ」と始まり、「アニーのばあちゃんはワニに喰われちゃったし、おっかさんは刑務所の中さ」とリフレインで歌われます。
作ったのはルイジアナ州出身のトニー・ジョー・ホワイトで、本人の歌唱で大ヒットしたそうです。ホワイトはブルック・ベントンの「雨のジョージア」の作者でもあります。
プレスリーが生まれたのはルイジアナの隣のミシシッピ州です。「ポーク・サラダ・アニー」はヒット曲だから取り上げたのかもしれないけれど、彼の音楽をサザン・ロックとして聞いてみようかな。