旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

古書が誘う夢

吉本隆明の『高村光太郎』を読み返しています。1957年7月1日発行の飯塚書店版です。
布団の中で読み、枕元に置いて寝てしまいました。すると、その本を買った古書店が夢に出てきました。
実際とはだいぶ違っていましたが、店主は本人でした。
私が手にした本を見て「それはいい本だよ」と小声で言うことがあります。その本は必ず求めることにしました。
円本の『日本戯曲全集』(春陽堂刊)の歌舞伎編全50巻を買ったときは、自転車に乗せて私の勤務先まで届けてくれました。なんとなく嬉しそうで、この全集が収まるべきところに収まったと喜んでいたのではないでしょうか。
残念なことに、その店で手に入れた本のほとんどは書棚にはありません。『高村光太郎』は数少ないうちの1巻ですが、店主の好みではなかったことは確実です。
10年ほど前に店を訪ねましたが、いらっしゃいませんでした。お亡くなりになってもおかしくない年齢でしたので、店にいた奥様に問うことはしませんでした。