旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

どれも読んではいるけれど

今日の東京新聞朝刊の読書頁「酒井順子さんの3冊の本棚」のテーマは「カッコいい生き方指南」で、伊丹十三『ヨーロッパ退屈日記』、山口瞳『礼儀作法入門』、池波正太郎『男の作法』が紹介されていました。これらは、私ですらすべて読んでいるくらいで、読書好きに限らない私の同世代がよく手にした本でした。
私にとって、どれも面白いエッセー集ではありましたが、生き方の参考にはなりませんでした。世間に認められたお金がある人たちの世界は、若く貧しい私にはあまりにも遠すぎたのです。彼らの年齢に近づいても、その感想に変わりはありませんでした。
山口瞳池波正太郎は、晩年まで週刊誌に身辺雑記を連載していました。老いや死そのものを扱った硬い文章ではありませんが、それだからこそ余計にリアルな老いの姿や死の兆候が描かれていて、人はこのようにして死んでいくのかと考えながら愛読していました。