2020-12-03 寺田寅彦『柿の種』 北野勇作氏のツイッターがきっかけで寺田寅彦の『柿の種』(岩波文庫)を読み返しています。北野氏は『柿の種』のようなことがやりたくて「ほぼ百字小説」を始めたそうです。『柿の種』は松根東洋城の主宰する俳句雑誌『渋柿』の巻頭に書いた文章を集めたものです。寺田が「即興的漫筆」と書いているように、むずかしい表現はありませんが、私には一読で理解できないものが多々あります。だからおもしろい。漱石の周囲にいた人びとの書くものを読むと、ずっとそれを追い続けたくなります。