旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

小島庸平著『サラ金の歴史』

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サラ金の歴史』(中公新書)を読みながら、子供の頃の生活を思いだしています。
私は東京の下町の長屋で育ちました。町工場で働く人や、家内工業、小商いで生計を立てている人がほとんどで、サラリーマンは数えるほどしか住んでいませんでした。豊かな暮らしをしているのは地主たちだけで、どの家庭も、濃淡はありますが、貧しかったのです。
病気や怪我で仕事ができなくなれば、生活はすぐに困窮しました。金の算段はどうしたのでしょうか。町内に質屋はありません。隣近所から借りようにも、みな同じような生活をしているのです。
サラ金の歴史』にはサラ金の前史として「素人高利貸」があったと記されています。私の町にもそのような人がいたのかもしれません。子供の耳には金貸しの噂は聞こえませんでしたが。
(写真は16年前のもので、私の育った町のメインストリートです。食料品店がぽつんぽつんとありました。長屋は随分前に団地に変わりました。)