旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

橋本治の遺作

昨日の東京新聞の「大波小波」で橋本治の遺作『人工島戦記 あるいは、ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかのこども百科』(ホーム社)を知りました。「三千枚を超える長編にして未完」だそうです。
橋本の著作は結構読みましたが、小説だけはどうも苦手でした。手の届くところに置いてしばしば読むのは『権力の日本人』(講談社/2006年)です。これには740年から1180年までの20枚の年表が載せられています。年表は本文にあわせ時代を遡るようになっていますが、これが実におもしろいのです。
『人工島戦記』には著者自筆の15枚の地図が別冊で付き、500枚を超える「人名地名その他ウソ八百辞典」も付録になっています。「大波小波」には「物語の方が地図と辞典の付録なのだ」と書かれています。『権力の日本人』の年表は歴史上の事項を示すだけですが、なんとなく似ているように思えます。1,376頁、10,780円。再版はないだろうな。