旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

マルサの男

昨日に引き続き税務調査の話です。
以前も書きましたが、私は仕事で関わり合いのあった役所の中では税務署に一番好感を抱いています。応対がとても丁寧で、質問にはわかりやすく答えてくれるからです。税務調査で不快な思いをしたことはありません。調査は税務申告についての指導との印象があります。調査官には個性的な方が多く、興味深い雑談が聞けることもありました。
私の受けた最後の税務調査でのことです。「ここに来る前は国税局査察部におりました」とその方は自身のプロフィールを最初に語りました。若くて体格のいい人です。ちょっと気負い過ぎじゃないかな、と私は感じました。脱税はおろか、節税対策といわれるものも、所詮は課税の繰り延ばしに過ぎないと考え、一切おこなっていないので、元マルサの調査官でも恐れることはありません。
問題を指摘されることもなく調査は進みましたが、「江刺寄席」について質問され、それに関わる証憑をコピーするよう言われました。「江刺寄席」は無料で、誰でも入場できるメセナ事業です。年一回開催し、十一回続きました。始める前に、勘定科目は何にすべきか税務署に問い合せました。翌日「寄付金にしてください」と返答がありました。全額損金にはならないのです。その前の調査でも「江刺寄席」が問題になり、寄付金にしたのは税務署の指導によるものであると答えましたが、証憑のコピーを提出させられました。「また同じことをするのですか」と尋ねたところ、お願いしますとのことでした。彼にはこれしか引っかかるところがなかったのしょう。応じてやるか。
15時に調査は終わり「明日10時にまいります」と言って彼は帰りました。その後「明日の調査はおこないません」との電話があり、税務調査は終了しました。