音楽が聞けるようになりました。今はモーツァルトのある曲の第一楽章を様々な演奏で聞いています。
誰が言ったか覚えていないのですが、「モーツァルトってドレミばっかりでしょ」は的確な指摘だと感心しています。それは否定的な意味で述べられていました。でも流麗に上下するドレミに多くの人は魅了されました。私もその一人です。
以前モーツァルトのピアノソナタを聞いていて、ひっかかった箇所がありました。旋律が稚拙で、その後とうまく繋がっていないのです。こうすればいいのにと、二小節を書き替えたくもなりました。
ほかの奏者のレコードを聞いてみました。同じように弾いているものが多いのですが、その部分を弱音にしたり、テンポを変えたりして、めだたなくさせている演奏もありました。私の好きなピアニストたちはみな前者でした。モーツァルトはそう書いたのです。素直に聞くことにしました。
繰り返し聞いている第一楽章は、それとは違い、ある方がそこにモーツァルトの悲痛さを感じたと書いていたからです。私はそう聞いてこなかったので、それを確かめているのです。
